人生アレルギー
夏が終わった。
ビーチで男とビキニ着てワイワイしたこともなければ、夏休みに浴衣着て好きな人と花火を見に行ったこともない。制服にまとう汗とシーブリーズが織り成す青春の匂いなんてもう忘れたけど、夏はめちゃくちゃ好き。なんか文句あるか?
私は今、先週『半沢直樹』が終わって何かとロスな日曜の夜を、「プレモルは高いな・・・」と言う理由で選ばれた『淡麗グリーンラベル』と共に過ごしている。
窓を開ければそれなりに涼しい季節が来た。
汗ばむ気候のなかビールを飲む。最高におじさん。
夜風が秋のそれ。
夏が好きなのに。
夏って、「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!夏〜〜!!!!!!!!!!!!!!来た〜〜〜!!!!うお〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
って思ってるうちに終わること多い。
悲しい。
こんなにも夏が好きなのに。
昨年の夏、人生で初めてスイカ割りをした。
25の女三人、地元の海にて。
死ぬほど楽しかったけど、なぜか電車で家までスイカの残骸を持ち帰らされて「二度とするか!!!!!!!」と思った。それもいい思い出。
夏の思い出はだいたいベタベタしてるし、臭いし、みんな頭おかしい。
あぁ素晴らしい。
そんな私は今年の夏、謎のアレルギー症状に悩まされていた。
あるとき私の顔がものすごくかゆくなり、
次の日には真っ赤になり、
その次の日には乾燥しだして、
頭皮まで乾燥するもんだから肩がフケだらけになり、
二日ぐらいしたらお風呂で剥がれたフケたちが綺麗に無くなって綺麗な肌が戻る。
そしてその翌日にはその猛烈な痒みがぶり返して!!!!!!!!!!!!
次の日には!!!!!赤くなり!!!!!
その次の日には!!!!!!!!!!!!!
と言った様相だった。
ちなみに今もその謎連鎖は続いている。
アレルギー血液検査をしても、4日連続のパッチテストをしても原因はよくわからなかった。
自分の顔が大好きなのに、この夏はマスクで世界中にこの顔面を見せられないどころか、見えている部分ですら見せるのが恥ずかしいと思うようになった。過去最低な夏だ。
この私が「今日は顔がこんなだから飲み会やめておこうかな・・・」とか「デートはしばらくしないでおこう・・・」とか思うようになっているのである。
顔しかいいところがないと旧友に言われているのに。
いいところなくなっちゃったよ。
ただ、くだんのアレルギー検査でわかったことが幾つかあった。
なんとわたしは、「汗」と「日光」にアレルギーをもっていたのだ。
それを聞いたときの私の正直な感想は
「自分の分泌物でアレルギー起こすとかもはや、生きる意味なくね・・・?」だった。
生きるって難しいな。調べてみたら同じく汗アレルギーをもつ狩野英孝も同じようなこと言ってたので、生まれて初めて英孝ちゃんを愛おしく思った。
共に強く生きよう。
そして去年普通にサンサン太陽の下、汗かいてスイカ割りしてた私は帰ってこないのか。
去年甲子園に高校野球見に行ったときすこぶる日焼けして楽しかったのに。
今思えばたいして好きでもないのにプールで青春見つけようとしてたあの夏も。
シンガポールのナイトクラブで「クラブって・・・こんな感じなんだ・・・」と言う芋丸出しな感想を生み出したあの夏も。
風情感じるオシャレ女子になるため購入した風鈴を2時間で割ってしまったあの夏も。
七夕に「早く切れ痔が治りますように」と切に願ったあの夏も。
こんなに夏が好きなのに。
毎年ダサい夏を過ごす私が好きなのになあ。
と、書いてる間に冬が来てました。人生は短い。